8大疾病保障付住宅ローンっておトクなの??
最近、多くの銀行で「3大疾病保障付住宅ロー ン」、「8大疾病保障付住宅ローン」、「ガン保障付 住宅ローン」などといった商品を目にします。今、 住宅ローンを検討している方の中には、こういっ た保障が付いている商品をすすめられていたり、 検討されていたりする方もいらっしゃるかと思 います。私も、お客様からこういう商品を選んだ方がいいのか、そうではないのか、よく相談を受けます。 いったい、どのようにして選べばいいのでしょうか?
多くの住宅ローンには、借りている方が死亡し た場合に残った住宅ローンを保険で支払ってく れる仕組み、「団体信用生命保険」がセットされています。
8大疾病保障付住宅ローンは、死亡だけではな く、8大疾病まで拡大した商品です。
つまり8大疾病を患い、一定の状態に該当すれ ば、残っている住宅ローンを保険金で完済してあ げますよ、という保障がついている住宅ローンと いう訳です。
この説明を聞く限り、「ローン支払い中に、ガ ンにでもなったらはらっていけないだろうから、 この商品を選んでおいた方がいいのでは?」と思えてきますよね。でも、タダでこの保障がセット されているのであれば...、ですよね。もちろん、 お金がかかります。
多くの金融機関において、このような商品は通 常の金利に0.3%を上乗せするという仕組みになっています。
つまり通常の金利が 2.0%であれ ば、8大疾病保障付は 2.3%という訳です。
金利で言われるとイメージが湧きませんよね。 金額で言うと、35年返済の住宅ローンであれば、 借入れ1,000万円につき約1,275円、 3,000万円借入したとすると約3 ,825円、 月々の返済が増えるという計算になります。これ を35年間払えば、ざっと160万円にもなります。160万円の保険料を払って、この保障を買ったことになるのです。こう考えるとどうでしょ うか? トクなのでしょうか?
また、保険金支払いに該当する状態というのも 微妙です。ガンの場合は診断されれば支払い対象 になりますが、それ以外の病気には色々と条件が あります。では仮に、ガンが心配であればこの商品にした 方がいいのでしょうか? 実はこれも微妙です。
日本人の30歳男性が50歳までにガンを患う 確率は約2%。60歳までで約7%。65歳まで で約11%です。
しかもきちんと返済をしていれば、住宅ローン の残高は年数とともに減っていきますから、ロー ン支払い後半で受けられる恩恵も減っていくわけです。 それでも、「10人に1人以上の確率 だから8大疾病保障を160万円で買う」という のであれば納得できる商品です。
もし、お客様がお悩みであれば、一度このよう な視点で考えてみてはいかがでしょうか?