自分たち家族にとって必要な家づくりをする方法。
「まだ全然具体的ではないので、申し訳な いのですが・・・。勉強のための資料っていただけるのですか?」お客さまが、良くおっ しゃる言葉です。お客さまの、大変恐縮して おっしゃっている気持ちが伝わってくるだ けに、このような言葉をお聞かせいただくと、 いつも申し訳ないな~と暗い気持ちになり ます。そして、思います。
「やっぱり住宅業界は、遅れているんだな ~。」って。何が遅れているかというと、住宅会社が持っている考え方(常識)です。提供する情報は、価格と間取りだけ。うちは最高です。だから買ってください。ただそれだけ。本当は、全ての人に万能な土地、家なんてものはありません。ご家族それぞれの文化 が違うからです。ですから、お客さまは、自分たち家族にとって良い住宅なのか? 家族にとって良い会社なのか? 家族にとっ て良い担当なのか? を見極めなければな りません。
「自由設計が出来ます。自分のための家をつくりましょう。」と業界全体が言っている にもかかわらず、お客さんが気持ちよく、自 由設計とは何か? そもそも、家って私たち 家族にとって必要なの? 自分の家ってど んなのがいいんだろう? と学べる場が少 ないのです。
自分の住宅会社の商品に、お客さんをあわせさせるために、学べる場をわざと作っていないような気もします。だからお客さまも具体的にならないと、住宅会社に相談してはい けないと考えてしまうのかな? と最近は 思っています。しかし、やっぱりこの考え方 は、おかしいです。住宅は、個人が購入する中では、最も高い買い物の1つです。そして、 借り入れをします。その購買決定がその後の 人生に大きく影響します。その買い物を忙しい施主のかわりに、本当に役に立つ知識や情 報をアドバイスする人がいないのは、とても 悲しい事です。
実際お客さんは大変です。例えば、私は住 宅のプロですから、土地や家のことを、社会 人になってから忘れたことがありません。ど うしたらいいのかな? 新たなアイデアってないかな? と24時間頭の中はグルグルしています。
お客さんも一緒です。仕事をもたれています。今の時代、仕事のために、家族と過ごす 貴重な時間を削って働かれている方もいる かもしれません。家庭を守られている、奥様 も一緒です。私が主夫をやったら、3日でノイローゼになります。それだけ重労働です。 そんな中、良い家を建てるには、やはり時間 とアドバイザーが必要です。
このレターは、忙しい方が家族で話をして いただくきっかけにしていただければとい う想いで書き始めたものです。この文章が、 ご家族が将来について語り合ったり、今を見つめたりするきっかけに、少しでもなれば幸 いです。