お客様から多いご質問 その4
いよいよ、梅雨の季節に入りました。農家の 方たちにとっては良い季節かもしれませんね。 私たちのような、外の現場が多い仕事だと、雨 は困ります。夏が待ち遠しいものです...。
さて、前回から引き続き、お客様からよくご 質問される内容は、以下の4つです。
【1】住宅会社・営業マンの良し悪しの見分け方について
【2】家の価格や、その他の費用について
【3】暑さ・寒さに耐えられる家なのか?
【4】地震にどの程度耐えられる家なのか?
今月号は、 『【4】地震にどの程度耐えられる家なのか?』
をお話しさせていただきます。
昨年の4月、熊本地震が起きたことは、皆さ まの記憶にも新しいのではないでしょうか。この地震は、我々住宅業界にとって、とても衝撃的な地震でした。
この地震が起きる前まで、ほぼ直下型の地震 が、連続2回起きたという事例は、過去の震災 を見てもありませんでした。( 過去の震災は、 余震の方が、地震のエネルギーが遥かに小さかっ たため )
NHKでも何度か特番が組まれたのですが、 耐震等級を取得していた家も倒壊の被害に遭い ました。
そもそも、どの住宅会社のチラシや、営業マ ンさんにお話を聞いても、「当社の家は頑丈で す!」「地震が来ても大丈夫です!」と、必ず言 います。「当社の家は、実は地震に弱いんです...。」 なんて言う住宅会社はありませんよね。
これも、家を建てたい皆さまから見れば、大変判断に困ることですよね。一体、どの家が地震に強いのか、悩んでしまうと思います。
そこで国は、耐震性の基準を、数値で分かるように、見える化しました。それが、以下3つの基準です。
・耐震等級1
・耐震等級2 : 耐震等級1の1.25倍
・耐震等級3 : 耐震等級1の 1.5倍
<耐震等級1>
建築基準法の元となる基準。500年に1度の 地震を想定しています。
<耐震等級2>
750年に1度の地震を想定しています。阪神 淡路大震災が、この地震に相当すると言われてい ます。
新しい病院・学校は、この基準をクリアす るように建てられています。耐震等級1のおよそ 1.25倍の強度を有します。
<耐震等級3>
1000年に1度の地震を想定しています。東日本大震災が、この地震に相当すると言われています。
この大震災の時に、どうしても残っていて ほしい建物 ( 全ての建物に残っていてほしいのは もちろんですが )、
新しい警察署・消防署・県・ 市の防災拠点になるような建物、がこの基準で建 てられています。耐震等級1のおよそ1 .5倍の 強度を有します。
家の耐震性は、等級によって表されています。 ですので、「当社の家は、地震が来ても大丈夫」 と営業マンさんに言われたとき、皆さんが質問することは、ただ一つです。
「耐震等級は何等級ですか?」
ここで、「当社は○等級です」と素早く答えら れる会社が、信頼できる会社さんなのではないでしょうか?
皆さまに気を付けていただきたいのは、 「等級なんて取らなくても丈夫な家ができます!」「当社は○○等級 相当 です!」この言葉には気を付けてください。
なぜならば、耐震等級2、耐震等級3を取る には、必ず「構造計算」が必要になるからです。
家1軒の構造計算を行うと、計算書およそ 450 ページになります。
当然、費用も時間もかかりますので、残念な がら、構造計算がされている注文住宅は、全体 の2割にも満たない、というデータもあります。
冒頭で、熊本の地震が大変衝撃的だ、という お話をしました。NHKの特番でも、「柱や壁の 直下率が重要である」ということを盛んに言わ れていました。これはきちんと構造計算がされ ていれば、回避できる問題です。
もう一つ、「上越は雪国であるため、屋根に雪を積んだ状態になる」ということ を、決して忘れてはいけません。
屋根に雪が積もった状態で、耐震等級を取得するようにしてください。
当社の基準ですと、
・高田地区 : 積雪2.0m
・直江津・春日山地区 : 積雪1.5m
・海岸沿い : 積雪1.0m
の状態で、耐震等級3を取得しています。これが、 当社の標準です。
この雪の状態も、必ず忘れずに計算してもらう ようにしてください。
まとめ
・「耐震等級はいくつ?」と質問する
・必ず構造計算をしてもらう
・構造計算の際は、必ず積雪量を指示する
以上を忘れないでくださいね。
最後に少し、当社の宣伝になりますが、いよいよ夏過ぎに、新商品を発表します!
当社は、耐震等級3が標準なのですが、ここに 更に、「制震装置」を標準にした、新商品を発表 する予定です。 (※ダンロップのタイヤでお馴染み、住友ゴム工 業さんと共同企画で開発しました。) 「制震装置」というのは、最大 1/5 程度まで、 揺れる量を低減する装置です。
冒頭で、熊本地震の2回連続の直下型地震で、 家が倒壊した、という話をしました。京都大学の 実験によると、この制震装置を付ければ、「直下 型の地震が3回続いても、家が倒壊しない」とい う結果が得られました。
夏過ぎには、新商品の発表ができると思います ので、皆さまぜひ注目してみてくださいね。