『最新型エアコン、大きめのエアコンを買っておけば安心?!』

皆さん、こんにちは。カレンダーも11月になって、あっという間に冬と年末が近づいてきましたね。今年の長期予報では、『寒い冬』になる予想が出ています。生活に支障が出るほどの大雪にならないことを願うばかりです。
さて今月は、『エアコン』について考えたいと思います。
新しく建てられる家の省エネ性能が強化されると、当然ながら窓や断熱材の性能も強化されてきます。いわゆる、住宅の『高気密・高断熱化』が進んでいます。
使われている暖房機器も、灯油ストーブ、灯油ファンヒーターから、
エアコンを選択する方が増えてきました。
設置する際に、1台で夏も冬にも使えますから、導入コストにも有利ですよね。さらに、北陸・東北・北海道エリアで使える『寒冷地エアコン』の登場によって、真冬にエアコンで暖房するスタイルも浸透してきました。
冬の灯油の補給で辛い思いをしている方も多いと思います。
『よし、思い切って、最新の暖房エアコンに買い替えるか!』・・・
と行動に移す方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい。
最新型のエアコンにすれば、電気代が大幅に下がるというのは本当でしょうか?
以前にも、このコラムでエアコンについて説明したことがあります。その時、『車の燃費と同じで、エアコンにも国が定めた指標があって、APF(通年エネルギー消費効率)という数字で表される。この数字が大きいほど、電気代が喰いにくいエアコンですよ。』・・・というお話をしました。
エアコンのカタログにもしっかり明記されていますし、エアコン本体の底面にもしっかりラベリング表示されています。
さて、ここで問題なのですが、
『何畳用のエアコンを設置すれば、一番効率的なのでしょうか?』
せっかく高性能な最新エアコンを買うので、大きめの容量の機種を選ぶ方が多いと思います。例えば、リビングが20畳ならば、24畳用を選んでおけば、間違いないと思われている方が多いのではないでしょうか?
そもそもカタログに書かれている【8~10畳用】とは、どういった意味でしょうか?
実はこの目安は1965年の推定法に基づくもので、断熱材や日射遮蔽がほとんどない住宅を想定して定められたものです。つまり、現在の高気密・高断熱の家とはかなり違いがあり、近年、指摘されている部分でもあります。
では、1965年の古い建物に合わせてエアコンを選定すると、20畳のリビングなら、20~24畳用のエアコンを付けることになります。『大は小を兼ねる』から良いんじゃないの?・・と思われるかもしれませんが、ここは注意が必要です。
もの凄く分かりやすく説明すると・・・エアコンは定格能力(通常運転の100%能力)の半分くらい(中間能力)で一番効率(一番消費電力がお得)に働きます。
つまり、冷暖房時に『もの凄く小さな運転』もしくは『最大の運転』をしていると、とても消費電力が悪くなります。
これから造る家が、高断熱で日射遮蔽もきちんと考えられている家であれば、20畳のリビングに20~24畳用のエアコンを設置してしまうと、ほとんどの時間が超低負荷運転となって省エネどころか増エネになってしまいます。
これを防ぐには、家の断熱性能値・省エネ性能値をきちんと導き出して、適切な容量のエアコンを設置しなければいけません。
ちょっと難しい計算式ですが、高効率エアコン(暖房エアコン)は高価格な商品なので、適正な大きさを選定してあげるだけでしてあげるだけでコストダウンにもなります。
気になる方は、計算式に入力して適正なようのエアコンを導き出しますので、声をかけて下さいね。
それでは、また来月お会いしましょう!