『家の断熱性が弱いと、エアコン嫌いになる?(その2)』

皆さん、こんにちは。
いよいよ師走ですね。年末はお坊さんも忙しくて、走りながら仕事をしているって意味ですよね。今年は比較的暖冬ですが、それでも日を追う毎に寒くなりますね。
さて、先月号の続きです。暖房にかかるエネルギーコストは、エアコンが圧倒的に安い・・・そんなお話しをさせて頂きました。それでも、『エアコンでの暖房に抵抗を感じる。』 と言う方が結構います。その理由として、
『暖かくないし、途中で温風が止まってしまう時間帯があるから。』
この理由は、2つあります。
・1つ目は、エアコンの性能が弱い(適合していない)
・2つ目は、家の断熱性能が弱い(低断熱である)
■対策その1:エアコンの性能を上げる=適合したエアコンを選ぶ
エアコン嫌いの方は、真冬にエアコンで暖房をしていると、時々エアコンが休止状態になる事を気にされます。このエアコンが休止する時間、結構長いのでとても寒く感じますし、イライラしますよね(笑)
実はエアコンは暖房運転中に、とても高度な作業をしています。熱の特性 『高温→低温へ移動する』 を利用して、室外機を外気温より冷やして温度差を作り、熱を回収しているのです。当然、真冬の外気温より室外機の温度を下げるので、室外機に【霜】が付いて、凍ってしまいます。こうなると、本来暖房に使いたい電気エネルギーを【霜を取る作業】に使ってしまうので、一時、エアコンが休止状態になり、本来の仕事ができません。エアコン暖房を嫌がる理由の一つが、ここにあります。
では、解決できる方法はあるのでしょうか?
エアコンのカタログをよく見ていると、『寒冷地エアコン』というシリーズのページがあります。さらに注意深く見てみると、【東北電力推奨品】、【北海道電力推奨品】というマークも見られます。熱の特性を利用する上で発生するを、『霜をあらかじめ発生させない』、『霜が発生しても、問題なく温風を出せる』・・・・各社さんノウハウは様々ですが、休止させないノウハウを駆使しています。
三菱さんの【ズバ暖】、日立さんの【メガ暖】、パナソニックさんの【フル暖】・・・すごい力強い名前ばかりです(笑)
寒冷地エアコンの一番の特徴は、『暖かくて、スイッチを入れて直ぐに温風が出てくる』これに尽きます。三菱の【ズバ暖】を例に取ると、外気温が-20℃でも、室内は60℃温風が出せるので驚きです。
ちなみに、灯油・ガスファンヒーターは、更に高温の温風が出せますが、逆に火災の原因にもなりますので、火事の心配をする必要があります。エアコンによる暖房でしたら、家族でお出かけする日中でも、付けっぱなしでも安心・・・・こんな事も出来ます。
昨年、私の実家のリビングに、エアコンを1台プレゼントしました。実家では、灯油式のファンヒーターを使っていて暖房をしていました。猫を数匹飼っているため、出かける時も暖房を付けっぱなしで出かけるので、私はとても心配していました。
そこで両親と相談して、リビングにエアコンを付けて、出かけるときの暖房はエアコンを付けっぱなしにする約束を交わして、火事の心配がないようにしました。出かける時だけ使ってるかなぁ・・・そんな風に思っていたのですが、先日実家に行ってみると、なんとフル活用していました。
築30年以上の古い家に、一般的な寒冷地エアコンをプレゼントしたので、エアコンだけだと寒いんじゃないかと思っていたのですが、とっても暖かくて、灯油ファンヒーターは使っていないとの事でした。
『今のエアコンって、暖かいんだねぇ』と両親は感心していました。私としても、暖かくて、火事の心配がないエアコン暖房を活用してくれて嬉しく思います。
これから家造りを考えている方は・・・・
・暖房エネルギーにかかるコストは、エアコンが一番安い
・寒冷地エアコンを選定することで、エアコン暖房の弱点が無くなる。
という前提で、暖房機器の選定をして下さい。
さて、それでもまだ、エアコンだと暖かさが足りないと感じるケースがあります。確かに暖かいんだけど、なにかちょっと違和感を感じる・・・・
この疑問についてのお話しは、来年の1月にお話ししたいと思います。楽しみにしていて下さい。
今年も一年、大変お世話になりました。皆さま、どうか良い年末・年始をお迎え下さい!