『家の換気について、もう一度考える! 』

皆さん、こんにちは。大雪だった冬の季節から、ようやく春に近づいている雰囲気が感じられるようになりましたね。ただし、花粉症の季節も近づいているので、憂鬱に感じている方もおられると思います。私も重度の花粉症なので、この季節になると気分が沈みます(笑)
また、最近では、『黄砂』や『PM2.5』、さらに『コロナウィルス』もあり、換気に関しての関心が高まっているように感じます。お客様からのご質問で、換気に関するものが増えたような気がします。
今日は、今一度、住宅の『換気』について考えたいと思います。
近年の家は、高気密高断熱化していて『気密性能』が昔に比べると相当良くなりました。かなり昔の職人さん気質の住宅会社さんは、『高気密住宅なんてとんでもない!体に悪い』・・と言うような事を言う会社もありました。でも、今は高断熱と高気密はお互いに性能が良くないと効果が発揮出来ないことが科学的に証明されていますので、そんな事を言う人はほぼ居なくなりました(笑)
ちなみに、気密性能を表すものは、『C値』という基準を用います。C値は家全体の面積に対して、どの程度の隙間が存在するか?・・・と言う基準です。小さな数字ほど、気密が良い証明になります。今日は、このお話ではないので大雑把なお話しですが、高気密住宅を謳(うた)うのであれば、C値=0.7以下の家でなければいけないと思ってください。
話を元に戻して、現在の新築住宅では、『24時間換気』というものが義務化されています(平成15年)。具体的には、『2時間毎に、家全体の空気が入れ替わる』ことが義務化されています。
24時間換気義務化の目的は・・・
■住宅建材の接着成分から発生する揮発性物質に対処するため(シックハウス症候群の予防)
■居室内の二酸化炭素濃度を低減するため
最近では、コロナウィルスの予防対策として換気を推奨されるので、換気システムが再び注目されるようになってきました。もちろん、窓を定期的に開けて・・・という方法もありますが、今日は、強制的・自動的に換気を行うという観点でお話をしたいと思います。
では、24時間換気には、どの様な方法あるのでしょうか?以下の3通りの方法が存在しています。
➀第1種換気方式
・・機械で、強制的に吸・排気を行う方法。
➁第2種換気方式
・・機械で、強制的に吸気を行い、排気は排気開口から自然に吐き出す方法。
➂第3種換気方式
・・機械で、強制的に排気を行い、吸気は吸気開口から自然に吸い込む方法。
実際に住宅で用いられているのは、『第3種換気方式』と『第1種換気方式』がほとんどだと思います。
(第2種換気方式は、クリーンルームに用いられることが多いです。)
それぞれの特徴と、メリットとデメリットは?
■第3種換気方式
【特 徴】 吸気に関しては、計画的にリビングや居室に吸気口(穴)を設置する。
排気は、トイレの換気・お風呂場の換気換気・キッチンの換気を用い
て行う。
【メリット】 設置導入の費用がとても安いこと。また、電気代等のランニングコスト
も抑えられる。吸気口はとってもシンプルな構造なので、まず壊れるこ
とはない。また、メンテナンスにも特別な作業が必要ない。
【デメリット】吸気に関しては、外気を直接吸い込みので、室内の温度変化が起きやす
い。2時間に1回、家の体積の空気が入れ替わるので、真夏・真冬の外
気温が入ってくると、室内の温度環境に影響が出やすい。
■第1種換気方式
【特 徴】 吸気も排気も機械で強制的に行うので、空気の流れを最もコントロール
しやすい方法。
【メリット】 計画的な空気の流れをコントロールしやすく、システムによっては、
家の隅々まで細かくコントロールすることが可能。高性能フィルター
で、外気中の不純物をしっかりキャッチしてくれるものもある。
【デメリット】設置導入の費用の費用が高額になる。また、システムによっては、とて
も複雑な装置になり、設置場所や複雑な配管のスペースも問題になりや
すい。故障した時の、修理も高くつき、負担になりやすい。
これから家づくを考えている方は、できれば『第1種換気方式』の方が良いのではないかと個人的には思います。ただし、以下の条件をできるだけ満たしたものにして下さい。
■できるだけ、複雑な構造のものは選ばない。
初期費用がかさむだけではなく、故障した時の修理費用も莫大になります。また、フィルターの交換だけでも大がかりだったり、特殊なフィルターの場合、高額な費用が発生することもあります。できれば、シンプルな構造で、お手入れも自分で出来るものを選びましょう。
■熱交換式の換気システムを選ぶ
現在の換気は、強制的に2時間に1回の割合で外部の空気と入れ替わる仕組みです。真夏の炎天下には、36℃の熱風が入ってきます。真冬には、マイナス5℃の冷気が入り込みます。せっかく室温を快適に保っているので、この快適な空気を外に捨てるのはもったいない話です。
なので、快適に温度管理をされた空気を外に排出される際に、外部から入ってくるフレッシュな空気(でも外気温のまま)に、熱を移して=熱交換、温度を室温に近づけてから取り入れる方法です。
特に、冬の温度差は、室内と室外では▲30℃近くもあるので、熱交換の効果は絶大です。冷暖房機器が余計な仕事をしなくなるので財布にも優しいですし、室温も安定して快適です。
今回は、換気システムの概要についてお話ししました。花粉だけでなく、黄砂・PM2.5が飛んでると、窓を開けて換気すると、意外と家の中が砂っぽくなって嫌ですよね。窓を開けられない場合の換気は重要だと思います。
我が家は、『熱交換式の第1種換気方式』ですが、構造がとってもシンプルなものになります。フィルターのお掃除だけ気にすれば良いですし、フィルターを買い替える時も、アマゾンや楽天で購入出来るので安くすみます。
設置した後のお手入れのし易さも、選択の基準になりそうですね。
それでは、また来月お会いしましょう!