『基礎のコンクリートを長持ちさせる!』

皆さん、こんにちは!9月に入って、日を追うごとに涼しくなってきましたね。お盆の頃の40℃越が懐かしく感じます。食べ物もどんどん美味しくなってきて、体重も増えてしまうので、注意が必要ですね(笑)
さて今回は、基礎コンクリートについてお話ししたいと思います。今日お話しする内容は、基礎の構造や強度のお話しではなく、お家が完成してからのお話しです。
丈夫な基礎の施工方法や、クラック(ひび割れ)の出にくい施工法については、また別の機会にお話をしたいと思います。なので、今日は完成した後の基礎コンクリートを長持ちさせる方法について考えたいと思います。
完成したお家の基礎コンクリートを注意深く見てみると、およそ以下のような仕上げになっていると思います。
➀基礎コンクリートの表面が光沢のある仕上げ
➁基礎コンクリートの表面に化粧ブロックなどが施してある仕上げ
➂基礎コンクリートの表面に、モルタル(セメントを溶かした物)で上塗りしてある仕上げ
大体、上記3つの仕上げに分類されます。施工として難しいのは、➀の仕上げになります。『打ちっ放し仕上げ』と呼ばれ、1回の施工で綺麗に仕上げる方法です。型枠も特殊なコーティングのされた物を使って、コンクリートも締め固めを強く行うので、コンクリートの表面が光沢のある仕上げになります。
➀~➂のいずれにしても、基礎の仕上げを綺麗に見せる目的は一緒ですね。
では、住み始めてから年月が過ぎていくと、基礎コンクリートにはどんな劣化現象が起きるのでしょうか?
■コンクリート表面のひび割れ(クラックと言います)が発生する。
■基礎コンクリート表面の全体が劣化する。(表面が脆くなって崩れるような状態です)
上記2点が主に生じるコンクリートの劣化現象です。表面が脆くなる症状は、コンクリートの品質があまり上質ではなかった、とても古い時代の建物にみられる現象ですので、今回は省略します。
基礎のコンクリートで一番問題になるのは、やはり『ひび割れ(クラック)』現象です。なぜ、ひび割れ(クラック)が基礎に悪影響を及ぼすのでしょうか?
基礎は家全体の重さ(死荷重)を支えるだけでなく、地震などが発生した際には地面からの反力を受ける大変重要な部分です。この部分に異常があれば、せっかくの耐震住宅も台無しになります。
では、ひび割れを放置していると、どんな問題が発生するのでしょうか?考えられるのは・・・
➀基礎の強度が低下する。地震などの大きな応力が生じると耐えられなくなる。
➁ひび割れから雨水が浸入し、内部の鉄筋を腐食させる。その結果、コンクリートがふくれあがり(爆裂)、損傷し、基礎の強度が低下する。
この様な大きな問題に繋がっていく可能性があります。もちろん、むやみに怖がる必要はありません。もともとコンクリートは凝固する際に、化学反応を起こし、自己発熱するので乾燥収縮をする特性があります。
基礎のような構造体では、収縮による引っ張り合う影響を防ぐ『目地』は設置しにくいので、基礎の長手方向の中央部にはひび割れが発生しやすくなります。対処方法として・・・
大きなひび割れの場合は、ひび割れた部分にVカットという加工を施し、コンクリートより遥かに高強度のエポキシ系樹脂を注入して強度を確保します。
とても細い髪の毛くらいのひび割れ(ヘアクラック)には、特殊な薬剤でコンクリート表面を研磨し、ひび割れ自体を埋めて無くしてしまいます。
今回ご提案したいのは、工事中に行う予防的な処置方法です。基礎コンクリートの表面に、特殊なコーティングを施し、基礎コンクリートを守る・・・という物です。この施工を行うと、どんなメリットがあるのでしょうか?
●基礎にクラックが生じても、コーティングされているので雨水や湿気が侵入しない。
●酸性雨や紫外線からコンクリートを守るので、長い年月を経てもコンクリートが風化しない。(撥水効果のあるコーティング材もあります。)
●伸縮性・弾性に優れたコーティング剤は、基礎の収縮や、地震の揺れにも対応でき、コーティング自身も長持ちする。
●見た目が綺麗。色の種類やパターンも選べるので、お好みの基礎仕上げができる。
『でも、費用がすごくかかるんじゃないの?』・・・と思われるかもしれませんが、とてもリーズナブルな価格で施工できます。32坪くらいのお家ですと、税込み¥7万円前後で施工が可能です。
これから家造りを考えている方、基礎のコンクリート表面のことも少し気にかけてあげてください。20年後・30年後になって大きな差が出ると思います。
下の写真は、先日、施工させていただいたお客様の基礎コンクリートのコーティング完了状況です。
それでは、また次回お会いしましょう!